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photo:小林禎弘

今泉毅展Takeshi IMAIZUMI

APORIA TO THE ARCADIA

10/5 Sat. 〜 27 Sun. 2013

イマイズミタケシ、早稲田の政経から、多治見の陶磁器意匠研究所を経てこの道に入っている。一九七八年埼玉生まれ。道が全くちがうように思われもするが、人生は偶然のかたまりのようなものである。彼にも邂逅と呼べる出会いがあったのだろう。早稲田の陶芸サークルはかなり古くからあるらしい。近年このサークルから見るべき才能がけっこう出ている。新里明士(あきお)あたりがその先鞭か。卒業して多治見の意匠研へ行くのが一つのルートのようになっている。早稲田は、まあ私学のトップだろうから、早稲田という学び舎で得たものが、それは教養と言っていいものかもしれないが、今泉のもの作りのための土台にあたる部分を形作っているのではないかと思ったりする。

 今泉のすなる青磁とそこからのバリエーションは、かつてのシナで達成された本歌に題材を求めるものであろう。つかぬことを言うようだが、筆者には、青磁をやっている人が錬金術師のように見えることがある。見果てぬ至極の夢に生きねばならぬというような意味で。青磁には、絶対美というかイデア的な美が要求されるということがある。かの国で神品と呼ばれるほどのものが捻出されてきた所以である。その青磁の系譜につらなり、さらにこの現代に、われ一人(いちにん)の青磁を呈示できるかということが作家ならば問われる。作家には突き刺すような目が向けられるのである。さらになにかやれるのかと…。板谷波山であれ岡部嶺男であれ、その目に耐えようとしたのではないか。

 今泉は、いわばあらぬ方角からこの世界に入ってきた人である。師弟関係も持たなかったようである。ほぼ徒手空拳からの試行錯誤がくり返されたことだろう。テストピースは幾千万か。その途上で何度も解決不能と思われるような問題に直面したのではないか。力不足を感じたことだろう。そこをなんとか乗り越えての現在の彼であり作品である。作品は困難な隘路をいくつも突破してきたような相貌を見せている。ものをいっている。

 彼には、究極の目的とそれに随伴する価値に近づこうとする意志があるやに見える。それを失わないでいてほしいと思う。彼が格闘する青磁という美は、その歴史上に、あたかも宗教的真理のように絶対的なものとして与えられている。それは古人のなしたことではあるが、人間のなせる業(わざ)の枠を超えたようなかたちで歴史に実在している。しかし、それを宗教的真理のように信じ帰依してしまっては、なんというか自分というものを放擲してしまうようなことになるのではないか。彼のことを言うのではない。

 今泉は意外や哲学者になりたいと思っていたらしい。宗教も哲学も究極の目的というものがあり、それは、いかにかしこく、善く生き、安心するかということであろう。違いといえば、宗教は、歴史のはじめに真理が絶対的なものとして与えられているけれども、哲学は、そのような真理とか智とは、ただ求められるのであって、はじめから与えられるようなものではないということであろう。哲学は、自他に対する自由な問答による、自由な思惟によって究極の価値に近づこうとする。今泉にはこれで行ってほしいと思う。自己を見つめ高め、その全人的なものを過去のものに付け加えるのである。なんだか言っていることが支離滅裂になってきましたが、ご忖度下さいましたら幸甚と存じ云爾(しかいう)。

 副題の、アポリアーは行き詰り、アルカディアは牧歌的桃源郷というほどの意味であります。彼の資料のなかで見つけた言葉です。

葎

TAKESHI IMAIZUMI
1978 埼玉生まれ
2002 早稲田大学政経学部政治学科卒
2004 多治見市陶磁器意匠研究所了

2002 朝日陶芸展入選(2003、2004)
2009 日本陶芸展大賞・桂宮賜杯
     菊池ビエンナーレ入選
     韓国京畿道世界陶磁ビエンナーレ銅賞
2010 現代工芸への視線 -茶事をめぐって-(東京国立近代美術館工芸館)
2011 ファエンツァ国際陶芸展入選
2012 SHAPED by TRADITION(ボストン KEIKO Gallery)
2013 菊池ビエンナーレ入選

個展
日本橋三越本店、柿傳ギャラリー、しぶや黒田陶苑
ギャラリーたち花、ギャラリー器館

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