• home
  • gallery
  • schedule
  • shop
  • access
  • contact
  • information
  • news
お問い合わせ プロフィール
  • 植葉香澄展
  • Kasumi Ueba
  • Kasumi Ueba
  • Kasumi Ueba
  • Kasumi Ueba
photo:永田陽)

植葉香澄展Kasumi UEBA

10/7 Sat. 〜 29 Sun. 2006

以下は、植葉香澄を取材訪問しての記事でございます。
’05年8月の展にも作者紹介がございます。
ご覧下さいませ!

●上絵に、物語なんてない
上絵に、物語とかストーリーめいたものは込めていない。龍は、最初から頭の中にいた。葉っぱの模様もあった。そして今回はできるだけ大きなものをつくろうと思った。それだけなの。上絵の意味を探って「どうして」って尋ねられると困る。この前もお茶碗買ってくれた人に、なんで外側が青海波で内側が鹿なのって聞かれた。なんて答えたかな…まあ適当なこといってごまかしてしまった。模様はある意味オートマチックに描いている。龍のうろこを鱗だと思って描いたり彫ったりしてない。水滴とか、蓋もののボディをつくっているときも、陶彫でも、すべてが模様なんだと思う。ただ模様の方向というか、流れっていうのはかなり意識するようになった。強くするのか、弱くするのか。どっちの方向に流すかって、とても大事だなって感じる。そう感じるようになったのが、この一年の大きな変化かな。
昨夏、器館で個展させてもらったときは、まだうさぎを「生きているうさぎ」だと思ってつくっていた。上絵で自分の世界を生み出したくて、かなり感情移入していた。手あともカンナの削りあとも、そのままに残して。気にもならなかったし、それが自分だと思っていた。でも冬ごろかなあ、作品を見てもらったギャラリーの店主から「手あとが残っているなんて論外だよ」って言われた。納得したわけではない。でもそういわれてみて、自分の作品の騒々しさみたいなのに気がついたというか。手あとを残さないって方向で今は一度やってみようと決めた。手あとを残すか消すかはとてもむずかしい。例えば、この角向付。手あとが全くなかったらおもしろくないし。もちろんいつかはいろんな制約やしがらみから脱けだして、自分の好き放題にやりたい。手跡を残しまくっても、どんな模様でも、誰にも何にもいわれないようになりたいな。

●人工交配で生れる模様
模様がどうやって生まれるか? うーん。考えたことないな。そういえば、豊中に多肉植物とサボテンの卸しをやっている大きなお店がある。屋上ビニールハウスのなかに人間が勝手に交配した不気味?な植物たちが何千も展示即売されている。黄色や赤色のカボチャみたいな実がくっついていたり、虹色にそそり立っていたり、なんかふわふわの綿で覆われているのとか。わけがわからないのだけど、そういうのを見ると感動する。ハウスの中はすごく暑くて、その真上すれすれを伊丹発着の飛行機が10分間隔で飛んでいく。形と形、形と模様の組み合わせの意外さというのは、こういうキッチュな空間に影響されているのかも。わたしもサボテンと同じように、人工交配を繰り返して模様を生み出しているのかな。

はっきりいえるのは装飾過多なものが好きってこと。原色同士の、ケンカしそうな色づかいとかありえない配色もいいなって思う。この服もそうだし、携帯ストラップも過多系でしょう。チャームのブレスレットなんかでも、一つの線からいろんなものがぶら下がっていて楽しい。料理でも一皿でいろんな味が味わえると得した気分になる。

きっと、私にとっていいものっていろんな意味で「過多」なものなのかも。もっといいものにしよう、もっと良くしてあげようと思って、ゴリゴリと装飾してしまっている。だから気がつくと装飾過多になってしまうのだろうな。

逆にシブいものってわからない。雨漏のある高麗茶碗とか、無地の李朝白磁の壺とか、六古窯とか、静かで無口なものって苦手だな。なんかしんどくなってくる。侘び寂びとかピンとこないなあ。ははは…これでいいのかな。いつかわかるようになるのかな。
(’06年9月京都市右京区の工房にて、構成・外池彰男)

KASUMI UEBA
1978 京都生まれ
2001 京都市立芸術大学陶芸科卒
2002 京都市工業試験場陶磁器コース了
2003 京都府陶工高等技術専門校図案科卒
2005 個展 ギャラリー器館(京都)
2006 個展 サボア・ヴィーブル(東京)

Gallery一覧へ戻る
Return to Gallery Page

本展の出品作品は、Shopページでご覧いただけます。
Pieces shown in this exhibit can be viewed, and, if available, purchased, on the Shop webpage. Please follow this link to the Shop and search using the artist's name, or navigate using the alphabetical list of artist names.

杉本太郎展
前の投稿2006年9月9日

杉本太郎展

堤展子展
次の投稿2006年11月3日

堤展子展

PAGETOP
2025 © utsuwakan inc, Japan. All Rights Reserved.